先日「食べることと出すこと」(医学書院出版/頭木弘樹さん著)という本を読みました。
潰瘍性大腸炎という病気を抱える著者が、難病をもって生活することで
世界はどんなふうにみえるのか、周囲はどのように
受け止めるのか、ということを淡々と語っていらっしゃいます。
「病気には休みがない」といった言葉や、病気になる前とは性格が別人のようになって
しまったことから「気は病からでもある」といった考察が印象的でした。
免疫を抑える薬のせいで感染症のリスクが高く、外出が怖く引きこもりがちの時期もあった
そうですが、コロナで「みんな、強制引きこもり」になったというくだりを
読んで、ああ、私たちは難病の方々の日常を少し経験しているのかも
しれない、と思いました(難病の方と違うのは自分ではなく、世界のほうがいっせいに
変わってしまった、という点ですが)。
タイトルどおり食べることと出すこと、という人間の根幹にかかわる行動に
ついて、改めて考えさせられる著書でした。